みなさんこんにちは。
漢方薬剤師の原明奈です。
さあ、本日も日本の伝統薬、女性に使うお薬のご紹介です。
ツムラさんのこちらのお薬はご存知の方も多いのではないでしょうか。
中将湯(ちゅうじょうとう)
漢方といえばツムラ!
というほどツムラさんの漢方薬での認知度はピカイチですよね。
そんなツムラさんが発売する創業以来のロングセラー商品が中将湯。
100年以上の歴史があります。
中将湯は、初代津村重舎の母の実家である藤村家に代々伝わる婦人病の妙薬でした。
薬の名前の由来は、能や浄瑠璃に演じられてきた「中将姫伝説」からきています。
(⇑いろんな看板があります。)
中将湯に入っている生薬
- シャクヤク・トウキ・センキュウ・ジオウ:四物湯(血を補う)
- ケイヒ・ボタンピ・トウニン・ブクリョウ・(シャクヤク):桂枝茯苓丸(血の巡りを良くする)
- ソウジュツ:むくみをとる
- トウヒ・コウブシ・チョウジ:気の巡りを良くする
- ニンジン・カンゾウ・ショウキョウ:からだに元気をつける
- オウレン:ほてりを冷ます
女性のための処方ということで、血に関係した生薬がたっぷり。
血に関わる王道の四物湯と桂枝茯苓丸の処方がまるまる入っております。
そこに気をめぐらせるような生薬と、ちょっと元気をつけてくれる人参など。
オールマイティに使える処方ですね。
血ってなに?という方はこちらをご覧ください。
中将湯はこういう方に
下記の症状がある方に向いています。20~50代の女性に幅広く使えます。
産前産後の障害(貧血、疲労倦怠、めまい、むくみ)、血の道症、更年期障害、不安神経症、月経不順、月経痛、頭痛、肩こり、腹痛、腰痛、冷え症、のぼせ、めまい、耳鳴り、不眠症、息切れ、動悸、むくみ、感冒
中将湯の飲み方
飲み方は實母散(じつぼさん)とほぼ同じです。
https://tunenohikampo.com/2018/03/17/jitubosan/
成人(15歳以上)1日1袋を使用し、朝夕就寝前の3回服用する。
1~2回目は1袋をカップに入れ、約180mLの熱湯を加えてよく振り出し、朝夕食前に服用する。
3回目は、朝夕に使用した残りの袋に水約270mLを加えて約180mLに煮詰め、就寝前に服用する。
惜しまれながら販売中止になった橋本七度煎にも似ている
この飲み方は人気がありながらもコストや継ぐ方がおらずに販売中止となってしまった「橋本七度煎(はしもとしちどせん)」にも似ています。
そして中将湯にはこっそり効能効果に「感冒」があるんです。
橋本七度煎が寂しい方にはぜひこちらを代用としておすすめします。
どんな風邪に良いの?
(私のインスタ記事9/21より)
台風一過と共にいきなり気温が下がってきましたね。
昨日は冷たい風が吹いていたのに、真夏みたいな格好で外に出てしまい風寒邪にやられたのか寒気が。
葛根湯が切れていたので久しぶりに中将湯をいただきました。
ツムラさん超ベストセラー、婦人のための民間薬。
今でもドラッグストアに置いてあって、煎じ薬のような雰囲気で飲めます。
(ティーパックみたいな中に16もの生薬が細かく刻まれて配合されています)
1,2回目はお湯を入れて振り出して飲み、最後はグツグツさせて煮詰めて飲むという、一袋で3回頂く変わった服用法です。
婦人のトラブル(血の道症)に使うのですが、良く見ると効能効果に「感冒」と記載があります。
橋本七度煎(はしもとしちどせん)という伝統的な風邪薬が5年程前に廃盤になっちゃったのですが、こちらは構成や飲み方が似ているので代用として飲んでいます。
現代のよく使われる漢方としては「香蘇散」に近いと思います。
風邪のほんの引き始めで、まだ体表のあたりから邪がそれほど体内に入ってない時に良いですよ。
いかがでしたでしょうか。
「漢方のツムラ創業家に伝わる女性のための妙薬」をお送りしました。
こちらの薬はお近くのドラッグストアで見かけることができますよ。
ぜひ試してみたくださいね。
それではみなさま、漢方和漢で内面ケアをして、美しい毎日を過ごしましょう♡
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