みなさんこんにちは。
漢方薬剤師の原明奈です。
今日はお風呂、薬湯のおはなし。
和ハーブの本からの話題です。
目次
五木八草湯(ごぼくはっそうとう)
日本でお風呂の中に薬草をいれる風習は古くからあります。
その中でも五木八草湯といって、五つの木と八つの草が良く使われます。
・五木:モモ(桃)、ウメ(梅)、ヤナギ(柳)、クワ(桑)、エンジュ(槐)
・八草:ショウブ(菖蒲)、ヨモギ(蓬)、オオバコ(車前草)、ハス(蓮)、オナモミ、クマツヅラ、ハコベ、スイカズラ
五木で取り上げられている植物
モモ(桃)、ウメ(梅)、ヤナギ(柳)、クワ(桑)、エンジュ(槐)の5つですが、私がよく入浴剤や薬草を扱う時にみるのは、モモとクワです。
◆モモ(桃)
モモは入浴剤で使う時には葉を使います。
こちらに記事にしていますのでご覧ください。
赤ちゃんの肌にも優しく、夏場のあせも対策になります。
オルビスから出ている化粧品のオルビスユーというシリーズにも桃の葉は配合されています。
桃の種(仁)は漢方薬の中に入ってくることが多く、女性の悩み(生理不順、肌荒れ)に欠かせません。
有名なものですと桂枝茯苓丸があります。
◆クワ(桑)
クワは日本ではカイコとともに伝えられ、歴史の長い植物ですね。
クワの葉は健康食品で良く使われることが多く、クワの根皮(ソウハクヒ)は薬用で入浴剤、化粧品、漢方薬で良く使われます。
咳止め、糖尿、高血圧に対して使われますが、入浴剤としては肌荒れを落ち着かせる目的として使います。
化粧品では美白目的で配合されることが多いソウハクヒ。
色素沈着を抑制したり、セラミド合成促進による保湿作用があります。
八草で取り上げられている植物
ショウブ(菖蒲)、ヨモギ(蓬)、オオバコ(車前草)、ハス(蓮)、オナモミ、クマツヅラ、ハコベ、スイカズラの8つ。
◆ショウブ(菖蒲)
ショウブは香りが良く、血行を良くするはたらきがあります。
菖蒲湯(しょうぶゆ)は5月5日の端午の節句の日に、この根や葉を入れてお風呂にはいる行事があります。
菖蒲は邪気を払うといわれていること、「勝負」にもかけて男の子がたくましく成長することを願っています。
◆ヨモギ(蓬)
ヨモギはこちらで体を温めるお茶としてご紹介。
お風呂にいれても身体を温めるはたらきがあります。
◆オナモミ
オナモミは、小さいころくっつき虫として遊んでいたこちらのことです。
あせもや皮膚炎に良いようです。
なんと現在は絶滅危惧種に指定されているとのこと。たしかに見なくなったようなきがします。
◆スイカズラ
スイカズラは生薬名では忍冬(ニンドウ)や金銀花(キンギンカ)と呼びます。
喉の痛みからくる漢方薬「銀翹散(ぎんぎょうさん)」にも入ります。
おすすめの薬草入浴剤
上記の薬草が入った、おすすめの入浴剤はこちらの記事で紹介しています。
私も愛用しています。
ぜひご覧ください♡
いかがでしたでしょうか。
「日本のお風呂に重宝される、五木八草湯(ごぼくはっそうとう)」をお送りしました。
入浴剤は買うだけではなく、お庭や道端に生えているものを使っても十分楽しめそうですね。
それではみなさま、たのしんで毎日を過ごしましょう♪
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