みなさんこんにちは!
和漢美容の専門家、漢方薬剤師の原明奈です。
今回は、喉からくる風邪を引いてしまったあなたへ、ぴったりの漢方薬をご紹介いたします。
目次
喉からの風邪はどんな漢方薬が良い?
風邪なら葛根湯?
さて、風邪で漢方というとみなさんが思い浮かぶのは「葛根湯(かっこんとう)」ではないでしょうか?
葛根湯をご自宅に常備している方も多く、風邪なら葛根湯を飲めばよい、という感じがありますよね。
残念ながら喉からくる風邪、とくに熱間が強い場合は葛根湯の出番ではありません。
葛根湯についてはこちらでご紹介していますが、葛根湯は背中や首のあたりがゾクゾクして寒気を強く感じるときにオススメの漢方薬となります。
喉からくる風邪には銀翹散を
喉からくる風邪には今回ご紹介する「銀翹散(ぎんぎょうさん)」がおすすめです。
こちらも使いやすい漢方なので、ぜひご自宅の常備薬に加えてください。
銀翹散のポイントは3つなので覚えてくださいね!
「風邪の初期」「喉の痛み」「熱感がある」ときになります。
そんな銀翹散について詳しく解説していきます!
銀翹散(ぎんぎょうさん)とは?
どんな症状のときにいいの?
のどの痛みから始まる風邪の初期、発熱、のどの渇き、頭痛
この漢方薬を構成する生薬
銀翹散には9種類の生薬が絶妙なバランスで配合されています。
- 金銀花・連翹:上半身の熱を冷ます、風邪を追い払う
- 桔梗:痰を鎮めて咳を止める、他生薬の働きをのどへ届ける
- 甘草:のどの痛みを和らげる、他生薬のバランスを整える
- 薄荷・牛蒡子・淡豆鼓:軽く発汗させる、炎症をとる
- 淡竹葉:熱を冷ます、のどの渇きを和らげる
- 羚羊角:熱を冷ます、気持ちを落ち着かせる
銀翹散の「銀」の由来
銀翹散の「銀」は金銀花(きんぎんか)からきています。
植物名としてはスイカズラで、この花のつぼみを乾燥させたものが金銀花となります。
スイカズラは二色のとても可愛らしい花を咲かせます。
二色が金色と銀色にみえるので金銀花。
金銀花には喉の痛みをとり、身体の熱を冷ましてくれる働きがあります。
救心製薬さんをはじめとした、のどあめにも配合されています。
実は美容に使うことでも有名な金銀花。
化粧品にもこっそり入っていることがあります。
例えばカネボウさんのミラノコレクション。
毎年美しい容器デザインでフェースアップパウダーが発売されます。
2019年に発売になったフェースアップパウダー、みなさんはGETされましたか??
こちらには金銀花のエキスが配合されているんですよ。
金銀花には肌のくすみを予防し、老化をおくらせる美容植物としての役割もあります。
金銀花(スイカズラ)の花言葉は、「愛のきずな」「献身的な愛」「友愛」。
花言葉も美しく、風邪にも美容にも欠かせないすてきな植物ですね。
この漢方薬のはたらき
銀翹散はのどの痛みから始まった風邪の初期で、強い熱感があり、口が渇いて水が飲みたくなるといった症状に使います。
葛根湯も銀翹散も風邪の初期に使いますが、葛根湯は首の後ろからゾクゾクと寒気がくる風邪に効くのに対し、銀翹散はのどからくる風邪に適しています。
銀翹散は夏の風邪タイプ。
春に気温が急に上がってきた時期に風邪を引く方も、このタイプの風邪が多くなります。
夏や春だけではなく、冬でも暖房で乾燥した室内に長時間いることによりこのタイプの風邪になることがあります。
少し漢方の理論を入れてお話すると、漢方医学では「風熱」という熱と風が合わさった邪気が口や鼻から入ってしまい、体表や肺などを傷つけると考えます。
暖かい空気が上に上るように「風熱」の邪は身体の上部にのぼり、鼻が乾燥したりのどに炎症を与えたり、頭痛といった症状が現れます。
また熱によって水分も消耗するので口が渇きます。
銀翹散はのどや体表の炎症を冷やしながら「風熱」の邪を追い払い風邪によるのどの痛みに効果を現します。
(⇑商品にリンクしています。)
いかがでしたでしょうか。
「喉からの風邪はどんな漢方薬が良い?銀翹散ってどう効くの?」をお送りしました。
あとはのどをこれ以上乾燥させないために、マスクをするのがオススメです。
部屋に加湿器を置いたり、加湿器がないときは洗濯物を室内で干したりするのも良いですよ。
喉の痛みに使う漢方薬はこちらも合わせてご参考ください。
それでは、しっかり体調を整えて明日もたのしい一日にいたしましょう♪
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