みなさんこんばんは。
漢方薬剤師の原明奈です。
本日は耳鳴りについての後編、最終回になります。
前編では「耳鳴り」になる方の代表例3つとして①~③を挙げました。
①まじめで仕事に実直、強い精神的ストレスを抱えている。
②食生活がどう考えても不規則。お酒をよく飲み、コンビニ弁当で済ましちゃう。
③仕事が猛烈に忙しく疲労感が強い、もしくは年齢を重ね身体に衰えを感じるようになった。
今回は③についての解説と使う漢方薬のご紹介です。
③仕事が猛烈に忙しく疲労感が強い、もしくは年齢を重ね身体に衰えを感じるようになった
耳鳴りはご高齢の方が困っているイメージ、ありませんか?
それは加齢とともに「腎」の機能がおちるからです。
腎は泌尿器だけの意味ではありません。
身体の生命エネルギーが腎には宿っていると考えます。
ですので腎の衰えは、身体全体の機能の衰えとなります。
特にその衰えは耳に出やすいと考えられており、ご高齢の方や、若くても極度の疲労の方は一時的に腎の機能が下がってしまったと考えます。
この考え方をもとに使う漢方薬を決めていきます。
どんなお薬が適しているの?
加齢による耳鳴り、極度の疲れによる耳鳴りにおススメなのは、耳鳴丸(じめいがん)。
もう名前そのものが効きそうですよね。
少し詳しく書きますと、耳鳴丸は腎を補う代表的な六味丸に加え、柴胡(さいこ)、磁石(じせき)で構成されています。
とくに磁石が入っているなんて驚きませんか。
じしゃく、食べても良いの?という感じがしますよね。漢方ではしばしば驚くものが出てきますが…大丈夫です。
実は磁石には耳の神経を安定させる働きがあるとされているんですよ。
耳鳴丸は薄く食塩を入れたお湯で服用するとより効果が高まるようです。
耳鳴丸が手に入りにくい場合は、六味丸もしくは杞菊地黄丸がおすすめです。
(⇑杞菊地黄丸はクラシエさんが丸薬を出してくれているので嬉しいです♪)
「冷え」を強く感じる方には八味丸。
いかがでしたでしょうか。
「耳鳴りがひどいあなたへ。(後編)」をお送りしました。
本日ご紹介した漢方薬はすべて補腎薬という分類になります。
耳鳴りだけでなく加齢によるさまざまな機能の低下に対応してくれますよ。
一言でいうとアンチエイジングですね。ぜひ取り入れてみてください。
それではみなさま、明日もご自身をいたわって健康でありますように。