みなさんこんにちは。
漢方薬剤師の原明奈です。
本日は日本の伝統的なお薬をとりあげます。
漢方薬の煎じ薬は漢方相談薬局でないと手に入れにくいのですが、漢方薬に似た日本の伝統的なお薬で、煎じ薬のようにして飲むお薬をご紹介いたします。
實母散(じつぼさん)
日本で江戸時代中期から女性を支えてきたお薬です。
いくつかのメーカーさんが作られていますが、代表的なものはキタニさんが販売されている喜谷實母散。
11種類の生薬を配合することにより、更年期障害や冷え症など、女性特有の症状に使います。
血の巡りをよくするトウキ、センキュウ、センコツの量が多いのが特徴です。
漢方薬では女神散に近いと思います。
實母散の中身
具体的に中身は下記のとおりです。
實母散(1包〈11.25g〉中)
日局 トウキ:2.25g
日局 センキュウ:2.25g
日局 センコツ:1.12g
日局 モッコウ:1.12g
日局 ケイヒ:0.94g
日局 ビンロウジ:0.94g
日局 ビャクジュツ:0.75g
日局 オウゴン:0.75g
日局 チョウジ:0.56g
日局 オウレン:0.38g
日局 カンゾウ:0.19g
トウキ、センキュウ、センコツは血の巡りを良くする生薬。この薬のメインになります。
モッコウ、ケイヒ、チョウジは気の巡りを良くする生薬。心を落ち着かせるはたらきがあります。
オウゴン、オウレンは熱を冷ます生薬。更年期ののぼせや、ホットフラッシュに効果的です。
實母散はこういう症状に
更年期障害・産後の不調・月経不順・イライラ・頭痛・のぼせ・めまい・肩こり・冷え症、感冒におすすめです。
實母散の飲み方
飲み方が少し変わっていますので、添付文書をのせますね。
1包を4回に分けて服用し、最初の2回はお湯で緑茶のように振り出す、そのあと2回は煎じて飲みます。
日本の煎じるタイプの伝統薬は1包で何度か飲むものが多いです。
おそらく薬は当時大変貴重だったため、日本人のもったいない精神が現れているのかと思います。
いかがでしたでしょうか。
「ドラッグストアで買える、女性のための煎じ薬」をお送りしました。
お手軽に煎じ薬を体感できるので、気になる方ぜひお試しくださいね。
それではみなさま、明日もご自身をいたわって健康でありますように。
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