みなさんこんにちは。
漢方薬剤師の原明奈です。
連日の猛暑、みなさんは負けずに過ごしていらっしゃいますか?
本日は夏を乗り切るためのお茶、漢方薬をご紹介させていただきますね。
目次
暑い夏を乗り切るためのアイテム【夏バテ・熱中症対策】
五味子茶(オミジャチャ)
こちらは韓国で良く飲まれている五味子茶。
酸味があり夏場の汗の出過ぎを防ぎます。
アセロラジュースのようでとても美味しいんですよ。
植物名はチョウセンゴミシ。
生薬としては果実を五味子(ごみし)と呼び使います。
漢方薬には体を潤したり、咳を鎮めたりする働きを期待して使います。
ビタミンCが豊富なので美肌や疲れにも適しています。
日本では医薬品扱いですが、韓国では食品扱いでも流通し、五味子茶(オミジャチャ)としてスーパーでも買うことができます。
清暑益気湯(せいしょえっきとう)
こんな症状の方に
暑気あたり、暑さによる食欲不振・疲れ・下痢
この漢方薬の構成
- 黄耆(おうぎ)・人参(にんじん)・白朮(びゃくじゅつ):からだに元気をつける、余分に汗が漏れ出るのを防ぐ
- 五味子(ごみし):すっぱさで体をひきしめ汗をとめる、からだを潤す
- 麦門冬(ばくもんどう):肺をうるおす
- 黄柏(おうばく):からだのほてりを冷ます
- 当帰(とうき):からだに栄養をあたえる、からだを潤す
- 陳皮(ちんぴ)・甘草(かんぞう):胃の機能を高める
この漢方薬のはたらき
夏ばてのために作られた漢方薬。
清暑益気湯の名前の「清暑」は暑さを涼しくする、「益気」は体の元気をつけるという意味が込められています。
9つの生薬からなっています。
五味子(ごみし)は記事の上のほうでも紹介しましたね!
すっぱくて、身体の汗腺を引き締めてくれるはたらきがあります。
黄柏(おうばく)はキハダというミカン科の植物の樹皮。
冷ますはたらきがあり、身体のほてりをとります。
黄柏は下痢止めとしても使います。こちらをご覧ください。
夏の暑さによって汗がすごく出てしまうと身体の中が乾いてしまいます。
そこに麦門冬(ばくもんどう)などうるおす生薬が入ります。
五味子にもこの働きがあります。
▼麦門冬
麦門冬の植物名はジャノヒゲ。
みなさんの身近に生えている植物です。
あとは夏バテで元気がなくなってしまった身体のために、人参(高麗人参)や黄耆(おうぎ)が入ります。
▼人参
▼黄耆(おうぎ)
キバナオウギの根。
高麗人参と並んで身体に元気をつける代表的な生薬で、栄養ドリンクに入っていることも多いです。
マメ科の植物になります。花のつき方もマメに似ています。
この漢方薬を入手するには
実はこの漢方薬、エキス顆粒になったものがありますが、医療用にしかなくお医者さんに処方してもらうものになります。
ちょっと手に入れずらいですね。
そのかわりに「白虎加人参湯」(体をうるおす漢方)+「補中益気湯」(元気をつける漢方)を合わせてお飲みになるのが良いかと思います。
生脈散(しょうみゃくさん)もおすすめです。
別名「生脈宝(しょうみゃくほう)」。
清暑益気湯の中心となる生薬4つ、五味子、麦門冬、人参、黄耆が配合されています。
いかがでしたでしょうか。
「暑い夏を乗り切るための漢方【夏バテ・熱中症対策】」をお送りしました。
この暑い夏を100%楽しんで過ごしていただくために、ぜひ取り入れてみてくださいね!
「お薬一覧(五十音順)」
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