美容

桜のはいった漢方 「十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)」 の力で、肌を美しくなめらかに。

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こんにちは。

和漢美容の専門家、漢方薬剤師の原明奈です。

桜が美しく咲く季節にぴったり。

桜の樹皮(桜皮・おうひ)が入る漢方薬のご紹介いたしますね。

桜皮は日本では昔から言い伝え使われてきた薬草のひとつです。

肌荒れや解毒を目的に使われます。

以前こちらの記事でも取り上げておりますのでぜひご覧ください。

大人にきびの方にまず試してほしい漢方

桜皮は中国ではお薬として使いません。

桜皮は江戸時代の外科医、華岡青洲(はなおかせいしゅう)の考案した漢方薬、「十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)」に使われています。

華岡青洲世界で初めて全身麻酔を用いた手術を成功された方として有名です。

奥様が実験台となることを申し出て、失明してしまうお話「華岡青洲の妻」は書籍化されNHKのドラマにもなったんですよ。

 

そんな有名な日本人医師が考案した十味敗毒湯、中身を見ていきましょう。

 

十味敗毒湯と桜皮(おうひ)

桜の皮は中国の処方には入ってきませんが、日本人(華岡青洲)が作った十味敗毒湯という漢方薬に入ります。

十味敗毒湯は皮膚のトラブルに使う漢方薬。

具体的にはアトピー性皮膚炎、にきび、じんましん、湿疹、乳腺炎などに使います。

十味敗毒湯はその名のとおり10種類の生薬から構成されます。

10種類は上の写真にもありますがはたらきをもう少しわかりやすく4つに分類して書きます。

  • 独活・防風・荊芥・川芎・生姜:身体の表面の毒素を外へ出す、かゆみを抑える
  • 柴胡・桔梗・桜皮(樸樕):炎症をしずめる、毒素を中和させる
  • 茯苓:ジュクジュクした部位の分泌物をとる
  • 甘草:炎症をとる、他生薬のバランスを整える

10種類の生薬がそれぞれのはたらきをして、かゆみを抑えて、炎症がでているのをしずめ、化膿するのを防ぎます。

肌に使う漢方薬は沢山ありますが、十味敗毒湯は皮膚の状態が比較的急性期から慢性期までカバーできますし、身体を強く冷やすこともないためとても使いやすい漢方薬ですね。

桜の皮以外にも一つご紹介しますと、桔梗の根が入っています。

桔梗は観賞用としてもとても身近な植物。

肌に使う漢方薬では排膿作用を期待して、そして喉が痛いときにも痰をとりのぞく役割として漢方薬に使われています。

 

桜皮の期待されるはたらき

日本で桜皮は昔から魚の中毒、排膿、咳どめ、解熱を目的に民間薬として使用されてきました。

十味敗毒湯にも排膿のはたらきを期待して配合されますが、最近はそれだけでなく新しいメカニズムも分かってきました。

このメカニズムは20代、30代女性の女性ホルモンがアンバランスな方のニキビにとても効果的な理由と言われています。

メカニズムを結論からいいますと桜皮にはエストロゲンのようなはたらきがあるようです。

エストロゲンは卵胞ホルモンといわれる女性ホルモンのひとつ。

卵巣で分泌され女性らしい身体づくりを助けるホルモンです。

女性ホルモンと肌の関係はとても深く、エストロゲンには肌の弾力を保つコラーゲン水分量を増やす働きがあるため、ツヤツヤではりのある肌を保つのに必要です。

別名「美人ホルモン」ともいわれますよ♡

桜皮が美人ホルモンのような働きをして肌をなめらかにしてくれるんですね。

(⇑ファンケルさんのHPよりお借りしています。エストロゲンが表皮と真皮の両方にはたらきかけて美肌をつくります。)

 

そしてこのエストロゲンは男性ホルモン(テストステロン)のはたらきも抑えてくれます。

女性でもテストステロンがあり、これにより皮脂分泌が促されてしまいます。

ニキビの原因、アクネ菌は皮脂が大好物。

男性ホルモンが多いと皮脂が増えアクネ菌が集まりニキビが出来てくるという結果に。

桜皮はエストロゲン様作用によって、テストステロンのはたらきを抑え肌のよぶんな油分をへらしニキビを出来にくくします。

まだまだ研究の余地はありますが、私は実際に皮脂が少なくなったと感じました。

 

薬用には "ヤマザクラ" か "カスミザクラ" を

日本で現在多く見られるソメイヨシノは実は江戸時代末期にあらわれた品種。

開花が華やかで若木から花を咲かす特性が好まれ、明治以来急速に広まりました。

日本でもっとも一般的な桜となりましたが、古来からあったわけではありません。

そのため薬用には原種のヤマザクラ、もしくはカスミザクラの樹皮が使われています。

 

⇑ヤマザクラ:日本に10種ある桜の野生種の中でも最も代表的な種で、和歌にも数多く詠まれています。葉芽と花が同時に開くのが特徴でソメイヨシノとは違うところです。

 

⇑カスミザクラ:こちらも桜の野生種。遠くから見ると霞のように見えることが名前の由来となっています。

桜の開花は少し遅く4月中旬から下旬となります。

 

十味敗毒湯には桜皮が配合されていないものも

歴史的な背景や参考にした書籍の違いにより、現在販売されている十味敗毒湯は桜皮がはいっているものと、樸樕(ボクソク)が入っているものが存在しています。

樸樕は漢字が難しいのですが、ドングリがなる木の樹皮になります。

具体的にはクヌギやミズナラの樹皮です。

こちらも皮膚の化膿を和らげる働きがあります。打撲したときの血液のうっ滞にも効果的です。

もし十味敗毒湯をにきびを治すために使いたいのであれば、桜皮が入った方をおすすめいたします。

ドラッグストアで買う時はパッケージをご覧になり、桜皮が入っているか確かめてからご購入くださいね。

メーカーではクラシエさんが桜皮がはいったもの、ツムラさんが樸樕がはいったものを販売されています。

⇑商品にリンクしています。こちらはクラシエさんの漢方セラピーシリーズ。桜皮が入ったものになります。

 

にきびに気になったらぜひこの十味敗毒湯を試してみてくださいね。

それではみなさま、和漢や漢方薬の自然の恵みを借りて身体の中から美しく整えていきましょう。

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