みなさんこんばんは。
漢方薬剤師の原明奈です。
漢方薬をまだ飲まれたことない方が、一番気にされるのが味。
飲めるのかなと不安になるようです。
今回は漢方薬の味について書いてみますね。
目次
漢方薬ってどんな味?私でも飲めるか不安です。
漢方薬は独特な味がします。
その味をまずく感じるか、美味しく感じるかは個人差があります。
具体的にどういう味なのかは、漢方薬はそもそもどういうものか、ということからお伝えする必要があります。
漢方薬は植物の「根」が入るものが多い
漢方薬は生薬(植物、鉱物、キノコ、動物などの薬用の部位)がはいります。
ひとつの処方はだいたい2~20種類の生薬で構成されています。
その中でも植物を使うことが多く、部位としては根が入ることが多いです。
なぜなら植物は「根」に栄養をぎゅっとためる性質があるからです。
他には根茎を使うものも多いですね。
それに対しみなさんが漢方薬に近いとイメージされるのがハーブティー。
こちらは葉や花を使うことがほとんどです。
葉や花は香りが高く味も軽いので飲みやすいのですが、根や根茎はずっしりとして少し土っぽいような、苦いような味が多くなります。
緑茶よりも熱を加える時間が長い
緑茶や紅茶はお湯を入れて少し蒸らすと飲むことが出来ますよね。
漢方薬の煎じ薬は30分以上じっくり煎じます。
その分成分が沢山出てきますので味がとても濃厚になります。
これはさらっとした味わいのお茶より、飲みづらいなと感じてしまう一因かもしれません。
生薬の大まかな5つの味分類とそのはたらき
漢方薬の味はたくさんの生薬が合わさったものです。
生薬は大まかに5つの味に分かれます。
甘い、苦い、辛い、塩辛い、酸っぱい、の5つです。
苦い、辛い生薬が入る漢方薬だと不味く、甘い生薬が入る漢方薬だと美味しく感じます。
‥しかし苦いのが苦手だから甘いものばっかりで作って!というのは残念ながらできません。
それは味によって、ある程度、効果も決まってくるからです。
この考え方は薬膳でも使われています。(下の図は野菜や果物などを五つの味に当てはめています)
例えば
*胃腸が弱く、疲れやすい方
→甘い生薬(大棗、甘草など)が多く入ってきます。甘いものは胃腸を元気にする力があるためです。
*アトピー性皮膚炎など、肌の赤みが強い方
→苦い生薬(黄連、黄柏など)が多く入ります。苦いものには炎症をとる働きがあるためです。
ご自身の症状によって、味はこのように変わってきます。
身体にあっている漢方薬は飲みやすい?
冒頭で「味をまずく感じるか、美味しく感じるかは個人差がある」と書きました。
実は同じ処方でも、身体にあっていると美味しく、あっていないと不味く感じるという傾向があるようです。
すっごく苦い生薬ばかりの漢方薬なのに、ゴクゴク飲めてしまう方がいます。
身体がその味を必要としているんですね。
いかがでしたでしょうか。
「漢方薬ってどんな味?私でも飲めるか不安です。」をお送りしました。
こちらの記事で少しでも不安が解消できれば幸いです。
漢方薬、まずは勇気を出して実際に飲んでみてくださいね。
それではみなさま、明日もご自身をいたわって健康でありますように。
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