みなさんこんばんは。
漢方薬剤師の原明奈です。
本日は大変希少で高価な牛黄をとりあげます。
昨日もとりあげました敬震丹にも配合される生薬です。
牛黄(ごおう)
牛の胆のうや胆管中に生じた「結石」を乾燥させたものです。
1〜4センチメートルの球形または角(かど)のとれたサイコロのような形をしています。
手にとってみると思ったより軽く、割ってみると木の年輪のような層があります。
口に含んでみると少し動物の匂いがして、心地よい苦味と微かに甘みのあるものが良品とされています。
牛黄の希少性
基本的に牛は胆石ができませんが1000頭に1頭くらいの割合で胆石があります。
牛黄は偶然の産物であり、人工的に作ることは出来ません。
その希少性から同じグラムの金よりも高いお値段で取引されています。
中国明の時代の『本草綱目』には「薬物として高価なることこれ以上のものはない」ということが記されていますし、
日本では『大宝律令』の中に牛を殺した際に牛黄が見つかれば政府に献上するよう記載されています。
牛黄の効果
牛黄は長い間、人間とかかわりあってきたにもかかわらず意外と近年の研究は多くありません。
それは牛黄があまりにも希少なものであること、これに伴う価格の高さによるものと思われます。
一般的に牛黄は、鎮静作用、強心作用、解熱作用などがあるといわれます。
そして実際の現場ではこれらの効果にとどまらず「癌」や「高齢の方」の延命、体力回復にとても効果があり、使われています。
古典にも「久しく服すれば身を軽くし、天年を増し、人をして忘れざらしめる」、つまり長期間にわたって服用すれば新陳代謝を盛んにし、寿命をのばし、物忘れしなくなるとされています。
いかがでしたでしょうか。
「寿命を延ばすといわれる金より高い薬」をお送りしました。
毎日服用するにはとても高価で手が出ないのですが、ここぞというときには取り入れたいですね。
それではみなさま、明日もご自身をいたわって健康でありますように。
⇑ライン@にてブログの更新や、漢方にまつわるお役立ちの情報の配信をしています。登録してくださるとうれしいです。
「お薬一覧(五十音順)」
⇑これまでに登場したお薬をまとめています。ご参考ください