みなさんこんばんは。
漢方薬剤師の原明奈です。
この時期インフルエンザも流行っておりますが「感染性胃腸炎になってしまった。風邪で下痢が続いてしまう」という方も多いと思います。
感染性胃腸炎には特効薬はなく、下痢もウイルスを出すための身体の生理反応なので下痢止めも使えません…。
辛いですよね。
この症状におすすめの漢方薬をご紹介いたします。
柴苓湯(さいれいとう)
こんな症状の方に
急性胃腸炎、下痢、吐き気、食欲不振、むくみなど
この漢方薬の構成
- 沢瀉・茯苓・白朮・猪苓:体内の水分バランスを正す、胃腸機能を調整する
- 桂皮:身体を温めて気のめぐりを良くする
- 柴胡・黄芩:炎症をとる、免疫力を高める
- 半夏・生姜:吐き気を鎮める
- 人参・大棗・甘草:胃腸の調子を整える
この漢方薬のはたらき
ウイルスや細菌感染により胃腸炎にかかると、そういった病原体を体外に出そうと腸管粘膜から浸出液が出されます。
これによって腸の中の水分が多くなり下痢になります。
漢方的には胃腸に熱がこもるのと同時に身体の水はけのバランスがおかしくなった状態といえます。
柴苓湯は小柴胡湯(しょうさいことう)と五苓散(ごれいさん)の2つの漢方薬が合わさったもの。
小柴胡湯で炎症を抑え身体の免疫力を上げ、五苓散で水はけのバランスを整えます。
(⇑楽天にリンクしています。(amazonには売っていないようです))
柴苓湯は医師の処方により出ることのある漢方薬ですが、一般には少し手に入りにくいかもしれません。
そんなときは五苓散がおススメです。五苓散は色んなメーカーさんから出ていて、錠剤もあるので飲みやすいですよ。
いかがでしたでしょうか。
「感染性胃腸炎(ノロウイルスなど)になってしまったときの漢方対策」をお送りしました。
身体の水分バランスを整える‥この考えは西洋医学にはなく、東洋医学のとても良いところだと思います。
それではみなさま、明日もご自身をいたわって健康でありますように。
「お薬一覧(五十音順)」
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