みなさんこんばんは。
漢方薬剤師の原明奈です。
漢方薬を煎じることになったけれど、どうやったらよいの?
これから煎じの漢方薬を飲んでみたいけど、どうやって飲むのか気になる…。
という方にむけて効果的な漢方薬の煎じ方をご説明いたします。
漢方薬は何で煎じるの?
まず何で煎じるか、ですがご自宅のやかんで大丈夫です。
なければ小さめのナベをお使いください。
もしくは先日ご紹介しました自動煎じ器です。
素材は土瓶、ガラス、ホーロー、ステンレスのもの。
鉄や銅の素材は漢方薬の成分に影響を与えることがありますので避けてください。
やっぱり土瓶がいいの?
土瓶をオススメしているのは、高い熱がいっきに伝わるのを防ぐためです。
いきなり高温になると成分が変化してしまうことがあります。
理想的なのは、ゆっくりじわじわと煎じること。
普通のやかんでも問題はありませんが、ステンレスよりは熱が伝わりにくい素材のほうがいいと思います。
あとは毎日煎じるのでやかんに匂いがついてしまうことがあります。
漢方薬専用にできると良いですね。
おすすめをいくつか載せておきます。
容量としては1~1.5Lがおすすめです。
(⇑楽天にリンクしています。直火にかけられる土瓶。常滑焼です。1.4L)
(⇑楽天にリンクしています。陶磁器製なのに直火もIHにも対応しています)
漢方薬の煎じ方
それでは漢方薬の煎じ方をご説明していきます。
①水400~600ccと漢方薬1袋をやかんに入れます。
水の量は中身の量に応じて変えてください。漢方薬が30gくらいでしたら400ccで大丈夫ですよ。
薬局で煎じ薬をもらうときは、和紙の中にパックされています。(下の写真の右側)
そのままでも良いですし、やぶって中身だけいれても大丈夫です。
そのままの方が片付ける手間が省けます。中身だけいれると攪拌されるので抽出効率が高まります。
②火にかけます。
最初から最後まで弱火で火にかけます。私は自宅では一番弱い火力にしています。
沸騰してから30分そのまま弱火で煎じます。
煎じが終わると、水の量が半分くらいになるのが目安です。多少前後してもかまいません。
最初は慣れないと思いますので様子を見ながら行ってください。
水の蒸発が思ったよりも多く、カラカラになってしまっていた…ということもあります。
その前に水を足してあげてください。
③煎じが終わったらすぐに漢方薬を取り出します。
火を止めたらやけどに気を付けて漢方薬をすぐに取り出してください。
煎じることで漢方薬の成分は水の中に抽出されています。
火を止めてそのままにすると今度は漢方薬が水分を吸収して膨らんでいきます。
せっかく抽出された成分も水分と一緒に漢方薬に戻っていってしまいます。
④コップに入れます。
1日3回飲むのであればコップ3つに均等に分けます。
煎じた漢方薬は1日分ですので、2~3回に分けて飲みます。
日中外出されるときは2回、家にいれるときは3回などご自身のライフスタイルに合わせてお飲みください。
⑤飲むタイミング
漢方薬は基本的に食前(食事の30分~1時間前)・食間(食後2~3時間たったとき)に飲みます。
胃の中に食べ物が入っていないほうが吸収が良くなると考えます。
忘れてしまった場合は食事後に飲んでも大丈夫です。しっかり1日分飲むのを優先してください。
また漢方薬を飲んで胃にもたれるな…と感じたらすべて食事後に切り替えてしまっても大丈夫です。
いかがでしたでしょうか。
「効果的な漢方薬の煎じ方」をお送りしました。
決して難しくありませんので、ぜひ煎じ薬にもチャレンジしてみてくださいね。
それではみなさま、明日もご自身をいたわって健康でありますように。