漢方

イライラが収まらないときに使う漢方薬「加味逍遙散」

投稿日:2017年11月26日 更新日:


みなさんこんばんは。

漢方薬剤師の原明奈です。

イライラってなかなか自分ではコントロールが難しいですよね。

そんなときに漢方薬の力を借りてみてはいかがでしょうか。

イライラするときに使う漢方薬はいくつかありますが、今回は加味逍遙散という方剤に焦点をあててご紹介いたします。

 

加味逍遙散(かみしょうようさん)

これって更年期障害で婦人科でもらっことがある、という方いらっしゃるのではないでしょうか。

加味逍遙散はそれだけではなく、自律神経失調症、生理不順、生理痛、頭痛、肩こり、のぼせ、便秘、不妊症、皮膚の炎症にも使います。

どんな働きをする漢方薬かというと、気分の落ち込み・イライラなどの精神的症状や、自律神経系の不調を緩和させる効果があります。

ストレスが加わりイライラすると東洋医学では「気」の流れが悪くなると考えます。

気の流れが悪いとそこにがとどまってしまい、ほてりとして現れます。

これが更年期障害のときにあるホットフラッシュ(顔がほてって汗が出てくる)にとても似ています。

加味逍遙散は、この気の流れをうまく巡らす働きがあります。

 

加味逍遙散を構成する10種の生薬

加味逍遙散は具体的にどんな中身なのかみていきましょう。

柴胡(サイコ)・薄荷(ハッカ)・山梔子(サンシシ)

この3つがメインになります。体のほてりをとりストレスを和らげます。

サイコはセリ科の植物で漢方薬では炎症をとり精神を落ち着かせる生薬として欠かせないものになります。

薄荷はおなじみミントのことです。すーっとして少しヒヤッとした感じと気持ちを落ち着かせてくれる働きがあります。

サンシシはクチナシのこと。煎じるととても鮮やかな黄色になります。栗きんとんの着色に使うことでおなじみです。

そのほか、当帰(トウキ)・芍薬(シャクヤク)・牡丹皮(ボタンピ)は身体に栄養をあたえ血行をよくするはたらきがあります。
茯苓(ブクリョウ)・白朮(ビャクジュツ)・生姜(ショウキョウ)・甘草(カンゾウ)は胃腸機能を調整するはたらきがあります。

 

いかがでしたでしょうか。

「イライラが収まらないときに使う漢方薬「加味逍遙散」」をお送りしました。

ドラッグストアでもネットでも手に入りやすいので、最近イライラするなと感じたら試してみると良いですよ。

(⇑こちらは錠剤タイプのもの。amazonにリンクしています。)

それではみなさま、明日もご自身をいたわって健康でありますように。

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