以前書いた記事「漢方薬は長く飲まないと効果がないのですか。」と同じくらい多い質問。
それは「漢方薬の副作用」についてです。
漢方も副作用があるんですよ!だから気を付けてくださいね!と書いてあるのは多いのですが、
もう少し具体的に書いたものがあればと感じます。
副作用についてなるべく誤解のないように書いていきたいと思います。
できるだけ分かりやすくお伝えしたいので前編と後編の二部に分けて掲載いたします。
漢方薬に副作用はありますか?
漢方薬にも副作用はあります。
漢方薬は法律的に「薬(医薬品)」です。
ところでみなさんは、そもそも薬(医薬品)とは何かご存知でしょうか?
「身体の構造または機能に影響を及ぼすことが目的とされている物」です。
要は体に作用をもたらすものであれば、薬なのです。
「何かしら身体に作用をおよぼす」のが良い方向に行った場合に「効果」として、悪い方向になった場合に「副作用」となります。
漢方薬で起こる可能性のある副作用について書いていきます。
漢方薬に含まれる成分に対するアレルギー反応
一番多いのはアレルギー反応です。
食べ物でも果物や卵など食物アレルギーをお持ちの方はいらっしゃると思います。
漢方薬も植物や動物の一部を使っているため、そのどれかにアレルギー反応が出てしまう方がいます。
例えば漢方薬に良く入る生薬で桂皮(ケイヒ)があります。
桂皮はシナモンともいわれ八つ橋やコーヒーに入ることでおなじみですが、身体に湿疹が出てしまう方がいます。
漢方を飲み始めて体にブツブツが出てきてかゆい!ということがありましたら、一度飲むのをやめて担当の先生に相談してくださいね。
胃がもたれる
漢方薬には少し胃にもたれやすい生薬が入ることがあります。
とくに地黄(ジオウ)や当帰(トウキ)など、補血という働きを期待して使うものに多いです。
具体的な漢方薬名では八味地黄丸(はちみじおうがん)、四物湯(しもつとう)など。
「胃にもたれる」を具体的なイメージでいうと「満腹なのによくばって饅頭を食べてしまい気持ち悪い!」という感じでしょうか。(この道30年以上のベテラン薬剤師の方がこう表現されていました)
胃にもたれるな…と感じたら漢方薬を飲むタイミングを食事の後にされると解決することがありますよ。
身体がむくむ
漢方薬の7割ほどの処方に入ってくるもので甘草(カンゾウ)があります。
甘草はその名のとおり甘味を付けたり、漢方薬に含まれる色々な生薬の調和をしたり、炎症をおさえたりと働きはとても広いです。
食品でも醤油やビスケットの甘味を付けるためにつかわれていることがあります。
しかし甘草が合わない方は身体がむくんでしまうことがあります。
残念ながらそういう体質の方は先生に相談して甘草を含まない漢方薬にしてもらってください。
いかがでしたでしょうか。
「漢方薬に副作用はありますか。(前編)」をご紹介しました。
このように副作用をつらつら書くと、漢方薬って怖いかも!と思ってしまうかもしれません。
しかし再度言いますが、体に作用するものはいい方向にも悪い方向にもはたらきます。
医師や薬剤師の方に相談しながら、またご自身でもこういうことがあるかもしれないとご自分の身体と向き合ってお飲みいただければ、漢方で得られる効果の方はとても大きいと考えます。
後編に続きます。
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